妖精なアイツ【完全版】
fourth fairy

ライバル?

クリスマスが終わると、すっかり忘れていた年賀状作りに焦る。


先に住所を書いて、絵の付いた年賀状に、一言添える。


大阪の友達に、こっちの友達。
結構量が多いけど、それって嬉しい。

先に書いた名前を見て、一言を考える。
そして、書く。


それを次々とやっていくと、ラスト一枚。


…妖精だ。


「なんて書こう…。」


ペンを取り、書く一歩手前で止める。


「去年は色々あったけど、今年もよろしく。…っと。」


こんなモンでいいか、と年賀状の束の上に、ポン、と置く。
大きく伸びをして、部屋を出た。


そして、しばらくして向かえた大晦日。


朝、新聞を取りにポストに向かい、新聞を取り出す。


すると、一枚のハガキが落ちた。
それを取ると、私が出した年賀状…?


「住所不明な為、お届け出来ませんでした…?」


あれ、住所変わった友達なんかおったっけ…?
誰?名前を見ようとした瞬間、携帯が鳴った。


着信は、妖精。


「はいっ?もしもし。」


思ったより声が張ってしまった。


「あ、ミッキー?今日の夜、桃子と、夏男と、ナオと小野田くんとでカウントダウンするんだけど、行くかい?」


「いくいくー!」


「じゃ、夜9時に迎えに行くよ!」


「はーい、了解!」


そう言って、電話を切った。年賀状は、まだ見ないまま。
…この時、ちゃんと見ていれば良かったと、後で、思った。
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