妖精なアイツ【完全版】
「じゃ、寝るのは一時間だけね。寝たらお家に帰りなさいよ?」


「はぁい。」


そう言って、毛布を深くかぶった。





「美希!」


…へ?長谷川?


「のり姉、もう帰るらしいよ。」


「うそやん~。今何時?」


「1時。」


「うそっ!?2時間も寝てもうた!」


「鞄持ってきたから、一緒に帰ろや!」


長谷川はそう言って、私の鞄を胸の高さまで上げて、私に見せた。


「あ…ありがと。」


私は鞄を受け取り、グシャグシャの髪の毛のまま起き上がる。


髪の毛を手グシで直し、保健室を出る。


「そや、今日この後時間ある?昼メシ奢るから、この辺の事教えてくれへん?」


「ええけど…私もあんまり詳しく無いで?」


「僕は詳しいよ!」


下駄箱に着いた時、、不自然に現われたのが、妖精だった。


「あんた、まだ帰ってなかったん?…て、長谷川もか。」


下駄箱にも、ちらほらとしか生徒はいない。


用の無い生徒は既に帰っている筈だ。
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