妖精なアイツ【完全版】

バレンタイン

「98点!」


「100点!!」


なんか、隣とそのまた隣の席の人が、大声で小テストの点数叫んでるんですけど…。


それは誰かっていうと、妖精と、長谷川。
この二人の関係は、一体何なのか?


「うっわー。2点負けた!」


長谷川は悔しがって、机の上に顔を埋めた。


2点の差…。悔しいだろうな。


…てか、何の勝負だ?


「18勝、2敗。いい加減諦めたらどうだい?」


「ふん、無敗ちゃうんやから、まだまだいけるわっ。」


20回も勝負してたんか!


…いつのまに。長谷川が転校してきて、約一ヶ月。


その間、妖精と、なにかしらあるわけじゃく、長谷川とも何かあるわけでもなく、この二人が敵意むき出しなのをよく見るだけ。


「ミッキー。今日一緒に帰るかい?」


…と、久しぶりに言われて、嬉しい…が。


「今日は、ナオと桃子で寄り道して帰るから、ごめん。」


「え…。」


いつもなら、夏男も、妖精もいるのだが、今日は…ちょっとね。
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