妖精なアイツ【完全版】
「ヒカルと、バレンタインのチョコの数勝負しようと思ってんけどさ~。ヒカルが、“女の子の気持ちを勝負に使うなんて駄目に決まってるじゃないか”っていうもんだからさ。」


ふ~ん…。
真面目やね。


「だから、美希からのチョコを貰った方が勝ちって事にしたから!」


「…はっ!?」


ちょ、ちょっと待ってよ…。


さっき、女の子の気持ちを…なんちゃらって言ってたやんか。


「なにそれ。」


「へ?だから美希のー…」


「私は女の子ちゃうっちゅうんかい!!」


「ちょっと、美希…落ちつ……ガハッ!!」


私は長谷川をグーで殴り、ドスドスと音を立てて廊下を歩く。


長谷川は男子トイレの前で倒れていた。
< 125 / 152 >

この作品をシェア

pagetop