妖精なアイツ【完全版】
その後も授業は続き、昼休みが来た。


ご飯を食べ終わると、ナオは、ソソクサと、机を立った。


「ナオ、どこ行くん?」


「…チョコ、渡してくる。」


そっか、小野田くんに…。


頑張れ、ナオ。


「ミッキーはぁ?もうヒカル様に渡したの?」


「渡さへんっ!」


「え?」


「渡さへんもんっ!!」


桃子は不思議そうな顔をして私を見る。


だって、悔しいやんか。
人の気持ちを勝負に使って。


絶対、渡すもんか!!


「桃子は?」


「私は…放課後渡す。」


「そっか、頑張ってね。」


「う、うん…。」


桃子は私を心配そうに見ていた。


妖精は、教室にはいない。
屋上だろうか?寒いのに。


私はご飯を食べ終わったあと、保健室に向かった。
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