妖精なアイツ【完全版】
保健室のドアを開けると、お昼ご飯を食べ終わったのり姉がそこに居た。


「あ、美希。いらっしゃい。」


「のり姉…聞いてくれる?」


「ん?どうしたの?」


私はのり姉に今の愚痴を吐き出した。
のり姉はただ頷いて聞いてくれる。


「本命チョコ一本かー。いいね、それ。」


「え、のり姉は違うの?」


「うん、今年も男性職員に、義理チョコの嵐。」


「あらら、社会人も大変やね。」


「でもさ…光太くんは別に、美希の気持ちを軽視してる訳じゃないと思うよ?」


「どうゆう事?」


「重要だから、自分にかけてみたかったんじゃないかな?」


え…、それって。


「意地張って無いで、渡しなさいよ?」


のり姉がニコッと笑うと、キーンコーン…と予鈴が鳴った。
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