妖精なアイツ【完全版】
「バレンタインバージョンだよ!」


「余計いらんわ!」


でも、どっちにしろ、渡さなアカンしな…。


「分かった。一緒に帰ろう。」


「本当かい?じゃあ、馬車取ってくるから、校門で待ってて!」


「はーい…。」


先に走り出した妖精。


私も帰る支度をして、教室を出る。
下駄箱に着くと、桃子と…夏男?


「夏男、はいっ!チョコ。」


桃子の本命って、夏男だったの!?


私は、影に隠れて様子を見る。
夏男は桃子が差し出すチョコを見る。



「…いらねーよ。」



そう言って、夏男が桃子に背を向けると、夏男が肩にかけていた鞄が、桃子のチョコに当たって、下に落ちた。
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