妖精なアイツ【完全版】
「…ありがと。」


「じゃっ、私帰るから!」


「…えっ!?」


急に顔を真っ赤にして、桃子は私の手を引いた。
私は何がなんだか分からず、桃子に引っ張られる。



***************


「…なんだ、あいつ…。」


夏男は唖然とした顔をして、突っ立っていた。


「今、本命だけ買ったって、言ったよね?」


夏男の後ろには、妖精。
様子が気になって、影で見ていた彼も唖然として立っていた。


「ああ…言ってた。」


少し顔を赤らめて言った夏男の両肩をガッシリ掴んで、妖精は言った。


「ミッキーもって、言ったよね?」


「ああ…、ナオもって、言ってたけど…」


妖精は、夏男の肩から手を離した。


「ヒカル、どうした?顔…赤いぞ?」


妖精の顔は、耳まで真っ赤だった。


****************
< 137 / 152 >

この作品をシェア

pagetop