妖精なアイツ【完全版】
final fairy

妖精なアイツ

もう三月に入ったけど、まだ寒い。


なのに、私は屋上で悩んでいた。


…あの桃子と夏男の事件が終わってから、妖精が口を聞いてくれないのだ。


…私、なんかしたか?


屋上に来れば、妖精がいると思ってたけど、ここにはいなかった。


…戻ろう。
もうすぐ、卒業式の予行練習が始まる。


兄貴も、染五郎さんも、もう卒業なんだ。
私は一旦教室に戻り、体育館に向かった。


そこにも妖精の姿は無い。
一体なんだというんだ。


予行練習が終わり、二年の廊下で染五郎さんが立っていた。
やっぱり、生徒会長を引退しても、人気はあるんだなぁ。
< 141 / 152 >

この作品をシェア

pagetop