妖精なアイツ【完全版】
「ブラザーも、今日で卒業だね。」


「うん。」


「ブラザーは、優しくて、自分の事をあまり考えないタイプだから、桜井先生の事で、迷惑をかけたと思う。」


やっぱり、気にしてるんだね。
妖精は、フェンスにもたれて、座った。


私はフェンスから、外を眺めながら、妖精の話を聞く。


「あの二人が、仲直りして良かった。」


妖精は、そう言って笑った。その笑顔に偽りは無い様で、スッキリした顔をしていた。


「そう思えるようになったのも…ミッキーのおかげだよ。」


「へ…?私?」


妖精は、腰を起こして、立つ。
目が合って、ドキッとする。


「ありがとう、ミッキー。」


妖精の顔が近付いてきて、ドキドキが止まらない私。
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