妖精なアイツ【完全版】
「…へ?」



い、今の…キス、だよね?


私のドキドキは最高潮で、もう何も考えられない。
一方、妖精は、少し顔を赤くした程度で、なんだか悔しい。


「これで分かったかい?」


「………。」


「ミッキーが、好きだよ。」


妖精は笑ってそう言った。
なんだか悔しくて、眉間にシワをよせる。


「わ、私も…」


続きを言うのが恥ずかしくて、一度深呼吸をした。


陽が照って、影が出来る。


「ヒカルが、好き。」


そう言うと、妖精は笑った。
しばらくして、私達の影はひとつに重なった。
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