妖精なアイツ【完全版】
「…おい。」


後ろに立って、低い声でそう言ったのは、長谷川だった。


「いつのまにそんな事になってんの!?」


「長谷川…、あん時言ったやんか。」


長谷川はギャーギャーと騒ぐ。
私がなだめるように話す。


「つい最近やん!半月前やろ?なのにもうカップル!?おかしない!?」


「何もおかしい事は無いさ。君の負けだよ。長谷川くん。」


「ほ…ほんまに?」


長谷川は、肩を震わせている。


妖精は舌を出し、勝ち誇った様な顔をしていた。
長谷川はそこに、呆然と立っていた。


「じゃ、ジンクスは?」


桃子が目を輝かせながら言う。
…ジンクスって、みっつめの?
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