妖精なアイツ【完全版】
朝、風邪気味で学校へ向かった。


「…はべしっ」


私はクシャミをした。
何かもっとおっさんっぽいクシャミだとすっきりすんのになあ。


と思い、鼻水をすすった。


「美希ちゃん!それはね、恋をしているからよ!」


桃子ちゃんがまた目をキラキラさせる。


「…え?クシャミと恋に何の関係が…」


「おおありよ!!」


桃子ちゃんは私の手をギュッと握り、力説する。


「やっぱ、好きな人には可愛く見られたいもんね!!」


…なんだそりゃ。


「ぶええっくしょおおおおいっ!!」


桃子とナオはビックリしている。
でも私はでかいクシャミが出てスッキリ。


「ミッキー!ユニークなクシャミをするんだね!お腹が痛いよ。ははははは……」


…出た。


ユニークって何やねん?
馬鹿にしとんのか!


「でも、そんなんじゃダーリンは出来ないと思うよ!」


うるさいねん!
このハゲ妖精!!


私は鞄からポケットティッシュを出し、ブーっと鼻をかんだ。


「はい」


私は鼻をかんだ後のティッシュを妖精に渡した。


「いらないよ!」


妖精は私の手を払いのけた。
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