妖精なアイツ【完全版】
『ミッキーは、ブラザーが好きかい?』


………?
妖精の声……


てゆうか、どこなん?ここ。
ぼやけて辺り見えへん…………


『好きになってはいけない人なんているのかな』


妖精は私に背中を向けて立っていた。


「なんなん、アンタ。何が言いたいん…?」


私が妖精の肩を掴んだ時、妖精の肩はかすかに震えている感じがした。


「泣いてんの…?」


『光太と仲良くしてやってね』


………染五郎さん?辺りはぐにゃぐにゃと歪み、足元がおぼつかなくなった。


「…………はっ!!」


ガバッと起きあがると、私はバスの中にいた。


「……あ。今日は校外学習の日やったな…」


そっかそっか、と一人で納得して背もたれにもたれかかった。



―――何であんな夢見たんやろ?
あの夢は、どうゆう事なんやろ……?


窓の外の景色を見て考える。



『好きになってはいけない人なんているのかな』


―――この言葉が妙に引っ掛かった。
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