妖精なアイツ【完全版】
…やめよう。
さっきの夢の事を深く考えるのは。
そう思い、私は再び目を閉じた。
ゴリと妖精がマイクを取り合っていた頃、私は再び夢の中につこうとしていた。
――――ガンッッ!!
ヤツらが取り合ったマイクが何故か私の頭に当たった。
キィーン……
と変な音が鳴っている。
私の頭に当たった拍子にスイッチが入ってしまった様だ。
「わー!!桜井っ!大丈夫か!?ごめんな!手滑らして…」
ゴリが私に謝りに来る。
めちゃくちゃ痛いねんけど……
私は涙目になっていた。
「ゴリーチャーもこう言っている事だし、許してあげなよ!」
妖精はハハハと笑いながら近付いてくる。
「お前も謝れよ!」
ゴリは妖精の頭を叩いた。
『ぇえから寝かせろ!!!』
キィイーンと音を出して、バス車内にはマイクからの音が響き渡った。
「すんません……」
「ミッキー、あんまり寝過ぎると頭溶けちゃうよ。ハハハハハ……」
ゴリは普通に謝ってくれたが、何だ……妖精のこの態度は。
――――ゴィンッ!!
再びキィーンと音を出して、マイクは妖精の頭に当たった。