妖精なアイツ【完全版】
そんな事をしている間に、バスは目的地に着いた。


「まだ頭ガンガンするわ……」


私は頭を押さえながらバスを降りた。


「僕も頭がガンガンするよ!仲間だね!!」


妖精は私の肩をポン、と叩いた。


お前の仲間って……ウチも妖精かよ。
一緒にせんといてや。


私はヤツを無視し、スタスタと先を歩いた。


「美希―!一緒に回ろ!」


のり姉が嬉しそうに近付いてくる。


「見回ったりしなくていいん?」


「美希と一緒に見回り!」


うそやん。
でも、のり姉と水族館なんて何年振りやろ!


私はワクワクしながら館内に入った。


「岩松くんと一緒じゃなくていいん?」


「何でアイツと一緒なんよ!」


私は苦笑いして言った。
のり姉はそんな私を見て微笑んでいる。


「あっ!ゴマちゃん見に行こう!」


アザラシの事である。館内パンフレットを見て、二人でアザラシを探す。


「はぁ……桜井先生と一緒に見回りたかったな…」


そんな私達の様子を見て、ゴリがボソッと呟いた。
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