妖精なアイツ【完全版】
「ふふふ…そうか…妖精か…それもいいかも」
「?」
夏男は不思議そうな顔をして僕を見ていた。
だが僕はそんな事を気にしてはいなかった。
『もうこのまま妖精になってしまおう!』
僕はそう決意した。
ほぼヤケだった。
「そうか…ピーターパンはイギリスが舞台か」
とりあえずイギリスっぽい格好をしてみた。
「なんか中世のヨーロッパ人みたいな格好になったけど…まあいいか」
制服も特注した。うん、妖精みたいだ。
この格好には白馬が合いそうだな…
そう思って白馬を父に買ってもらい、白馬に乗って登校する事にした。
「岩松ー!!何だその格好は!!!白馬で登校すんな―――!!!!」
ゴリが血相を変えて怒ってくる。
「すまないね原田先生!校長の許可はとってあるから問題は無い筈だよ!」
「そうか、それなら…ってうそーん!!それよりお前喋り方まで変わってんぞ!!!」
そうだ、僕は変わったんだ。
アレがキッカケで…僕は完璧、グレてしまったんだ。
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「そんな事があったんやな…」
私はただ、妖精の話を聞いていた。
「そう、おかげで僕はこの格好をしてるというわけさ。」
「へー。じゃあ、のり姉に告白し終わったら、その服装辞めるん?」
「辞めないよ?」
…なんでや!
「だって気に入ってるからね!」
「………。」
妖精がとびきりの笑顔でそう言うと、私は何も言えなくなってしまった。