妖精なアイツ【完全版】
そして、土曜日。体育館の袖に、私達三人は立っていた。


「うわ〜…緊張する。」


そう言った私の肩を、ポン、と叩いてヤツはこう言った。


「ミッキーが緊張する理由は1ミリも無いよ。」


………ムカ。
いや、確かにそうなんだけどさ。


「試合が…とかじゃなくて、私の腕にしがみついてるナオの緊張が伝わってくるっていうか…。」


「え?あっ!ごめん!」


ナオは慌てて私の腕から手を離した。
無意識だったんだろうか。


「どうしたんだい?ナオ。」


「これ…渡そうと思って。」


そう言ってナオがポケットから出したのは、手作りのお守りだった。


「頑張ってもらいたい…から。」


「ナオ…。」


思わず、キュンとした。
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