彼女に捧げる新世界
「魔王が連れて来たの、わたしが望んだわけじゃないよ。
服装って言われても、部屋にいたときのまま………」
今何と言った………?
「魔王だと………??」
ミラは不思議そうな顔で男を見つめる。
そんなに反応する事を言った覚えはないからだ。
魔王、それは驚くほどなのだろうか………?
「そう魔王、魔王が連れて来たみたいだけど………?」
「……雷皇か?」
何故……?
どうしてここでニルの二つ名が出るの?
まさか…………知り合い?
考え込むミラを冷たく光る瞳が射抜く。
「質問に答えろ」
「……………彼じゃない」
「“雷皇”は知っているんだな?」
強調されなくとも、十分によく知っている。
どんな人なのかも、いろんな彼を……。
「知ってる……。あなたが言う魔王が、わたしの知る彼はであるなら」