彼女に捧げる新世界
彼女を抱え、俺はある場所まで来た。
訳アリを扱う闇病院。
そこは金さえ出せば可能な限りを尽くしてくれる場所。
ただ事ではない事を瞬時に察知した医者はすぐに処置を始め、何時間にも及ぶ手術で最善を尽くしてくれた。
結局………、身体は難しいが脳だけでも助かった。
いわゆる植物状態でも、一命を取り留めただけでも十分だ。
彼女が眠るベッドの傍ら、俺は医学書を調べ尽す。
身体の構造、内臓、器官、病気、皮膚、血液…………脳。
一度読めば記憶は出来るが経験のない分野、それに失敗は許されない。
どうすればいい??
何日も悩んだ。