彼女に捧げる新世界
母の想いと魔王の采配












「そう………激動の人生だね」



彼らの過去と秘密を聞いたニルの反応は冷ややかだった。


励ますことも、責めることもなく、まさに別次元からの見解にさすがのミラもニルの感性を疑う。




「もっと言葉を選んであげてよ………」


同情しなくてもいい、けれど彼らの複雑さを少しくらいは何か労ってやれないのか………?


見つめたニルは変わらず優しくミラを撫でるが、感情のこもらない表情で言った。



「俺が関与すべきことではないよ?

この世界はこの世界のもの。

苦労も人を成長させる栄養だから」


進化はそこから生まれるものだろう……?



善悪を付ける必要もなく、力を加えてやることでもない。



ニルは感情移入せず、事実だけを言ってしまう。



< 104 / 205 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop