彼女に捧げる新世界
どうして?
複雑な想いが絡んでいるのに、そんなに簡単に言ってしまうの?
「………ニル、カイトたちはきっと」
「わかっているよ、助けを求めるんでしょ?
でもね、俺は関わるべきではないと思っているよ」
「どうして………っ!!?」
眉を寄せるミラから視線を逸らし、ニルは二人に冷ややかな目を向けた。
「………事情があったにしても、このような呼び出しは認められない。
存在が安定しないし、神か何かと勘違いもされたくないよ」
魔王だからね。
望みなんて一々聞いてたら秩序がなくなる……。
「貴方は神ではない、それはわかります。
ですが、機嫌が優れないからと言って思い通りに振る舞っていいとは思えません」
エルファリアは臆する事なくニルに迫った。