彼女に捧げる新世界


「守ってほしかったんじゃない………、守りたかった。

時々笑う顔とか、実は人付き合いが苦手なところとか……」


知れば知るほど彼に惹かれた。

壊れてしまいそうなほど完璧で、バランスの悪い感情も……。



うるさいと思われても守りたかった。


「すごく好きなんだね、

少しわかる気がするわ……」



「顔も好きだけど、1番は性格。

私の英雄、

本当は誰より優しいの」



見えない傷をたくさん抱えて、


やってはいけない禁忌までして、助けてくれた。



「………」

「私は、そんな事………考えないほうがいいのに」



寂しさの隠しきれない言葉にチクンと胸が痛む。



「どうしてそう思うの……?」


誰かを想う事はいけないこと?

恋しく想うのは、
愛することはいけないの?

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