彼女に捧げる新世界
「私はエルファリアだから、都市の母で、誰でも等しく接さなければいけない………。
皆を災害から守ったり、情報を与えたり、相談役になったり……。
無償の愛を捧げなければいけない」
自分の気持ちで行動したら、全てが狂ってしまうでしょう?
一人だけを特別に見て守るなんて……、
機械としての重大な欠陥。
ミラにはわからない事情が少しずつ明かされる。
見えない鎖に繋がれた彼女はとても大人に見えた。
「難しいけれど、あなたはエルファリアで“リア”でもあると思うわ?
カイトを想うことがいけない事だなんて思わない。
どんな法も秩序も、感情の前には障害にならないと思うわ」
少なくともわたしはそう思う。
わたしよりもずっと世界を知る彼女は選択と、それによる未来をいくつも想像出来る。