彼女に捧げる新世界



そうね、とミラも苦笑いをした。



「ニルは勿体ないくらいすごい存在だよ、

冷たい事を言ったりもするけど………悲しくなるくらい世界を愛してる。

それはリアもカイトも同じじゃないの??」




衝撃的な言葉だった………。


涙なんて出ないのに、




突然楽しかった頃を思い出す………。


理想の未来を夢みて学校に通い、友人たちと語り、嫌だった課題もやって、興味のあった“恋”もいつのまにかして………。



たくさん傷ついたけどたくさん笑ったあの日々。




失って初めて気付いた生きた世界の大切さ………。




馬鹿だな、私……。



私と彼は同じものを見て、協力してきた。


危ないこともしたけど、求めた世界のためでしょう?




会ったばかりの子に大切なものを思い知らされるなんて………。



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