彼女に捧げる新世界
「そうだった………」
言葉がうまく続かないようだが、エルファリアは小さく言った。
きっといろいろと考えてるんだろう………。
事情の理解は難しいけど、あまり悩まないでほしい。
いろんな気持ちを偽り続けて存在するなんて可哀相だ……。
「もしも………、」
もしも、
「望むものが叶うなら、今を捨てられた?」
偽りの母を止めて、少女の頃に戻れる?
あなたの思う子供たちを放って、彼のもとへ行けるの?
透き通るミラの眼差しに、彼女は再び考える………。
何かを得るためには何かを捨てなければならない。
手に入る確証のないものと手に入れているものを選べるのか?
選ぶ意味に何があるのか?
私はどうしたいのか………??