彼女に捧げる新世界
これまでのように遠くから彼を見つめる?

どんなに手を伸ばしても届かない現実。


映像で作った体は物体なんて擦り抜けてしまう……。



触れるほど近くにいても触れられない、体温や息づかいも感じない。




エルファリアを捨てても、結局は触れることも叶わないままただ存在するだけ………。


死は越えられない壁だから。



愛しい気持ちがあっても物理的には何も出来ない。





何度だって考えてきたことだ………。



ミラにはきっとこのもどかしさはわからない、


無条件で愛する人の側にいられるのだから。






私は戻れない………。


けれどもし……叶うなら、



「彼と生きたいよ」


これが本心だから………。
















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