彼女に捧げる新世界
エルファリアが不思議に思い始めた頃にようやく反応が返ってきた。






“いいよ”






その言葉に思わず目を見開いた。



“本当に???”





“うん、下がるつもりないでしょ?

なら仕方ない………。


でも少し時間をもらうよ”
















ニルはイスキアの遥か上空、雲の中で雷を自分に集めて力を集めていた。


便利なのは自然の力を自分に変換出来たことだ。


雷は世界のどこかで必ずと言っていいほど発生しているため、雷雲を探せばすぐに賄える………。



しかしそれは形であって、自身ではない。



“魔王”としての存在だ。


時間を必要としたのは、ミラの存在が不可欠なものだからで、彼女がいなかったら今の自身は自分ではないのだ。



彼女の記憶から自分の欠片を集めて形にする………。


だから、



“求めて、“俺を””






完全なものとなるために。






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