彼女に捧げる新世界


ニルだ、



そう思い近付こうとした瞬間。

足が凍った。



少女が見ているものが………ニルではない化け物の姿をしていたから。


黒い翼を持った鳥にも似ているが違う、鋭すぎる爪や鱗のようなものに包まれた脚………。

動く度にバラバラと落ちる羽、顔も鳥ではない。


気持ち悪く光る長い牙、それが嘴の奥から覗く………。



チラチラと覗く目のような光も同じ色合いなのに………まったく違う雰囲気を放つ。




あれは知らないっ。


全身に寒気が走った。



あんなものは違う、

そう思っているのに恐怖が体を支配する。










< 123 / 205 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop