彼女に捧げる新世界




キラキラした欠片が極彩色に輝く。


再び暗くなった視界にそれはとても明るい光だ………。
欠片たちをよく見ると、それらは全てがいつかの映像で、ミラの知らない景色もたくさんあり、膨大な量と記録がされている。



誰の記憶かは明白だった………。




けれど、どれもニルの“姿”が微妙に歪んではっきりとしない………。




わたしとの記憶も同じ、黒い塊だったり化け物の姿だったり。



これが本当のニル……?


魔王という言葉通りの化け物だというの?

人の姿が作り物だったの?



問いかけても答えの出ない疑問に悶々としながら欠片たちを見つめる、



ふとあるものに目が行った………。


はっきりしない足場を慎重に進み、目を凝らせば、それはいつか見た夢と同じ景色の少し後。



人の形に近いものがうずくまっている………。




今に近いもので、翼に包まれているが白い肌に痩せた躯の彼がいた。






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