彼女に捧げる新世界
「ならば………作ってみよ。
魔王はどんな姿だ?
どんな顔だ?
どういう形だ?
どんな声だ………?
思い出せ」
そして、
構築してみせてくれ。
魔王ニルを…………。
ミラは自分の知る限りを尽くして、頭の中で彼を想像する。
ミステリアスな雰囲気や意外に優しいところ、
耳に心地よい声、整い過ぎた顔、
骨の浮いた綺麗な鎖骨、ほっそりした腕の先の繊細な指先。
いろんなことを一気に繋げるのは難しいが、諦めたりはしなかった。
ニルに会うためなら難しいとか面倒だなんて少しも思わない。
更に集中するために目を閉じた。
完璧な彼を完璧にするためなら何も惜しいものなどないのだ。
そう、なにもかも。