彼女に捧げる新世界
空が白むほどの光にエルファリアは慌ててミラを避難させようと呼ぶが、ミラはどこかを見たまま動かない。
自分にはなにも見えない場所を、彼女は凝視している。
何を………何が見えているのかはわからないが、どんなに呼んでも反応がない。
助けたくても彼女の体は透けたままで、どうにもできない…………。
盾になることさえも……、
私がたくさんの警告とエラーを主張する。
世界に存在しないエネルギーの放出を検知しているからだ。
白い世界が視界を埋め尽くして、何も見えない。
天も地もなく、浮いているかのような錯覚さえ覚える…………。
調べようと思考を働かせても、何も思い当たらず、どんな現象なのかの解析も不可能。
エルファリアはゆっくりと瞬き、ミラを探すことと落ち着く事に努めた。
何もない世界はひどく広く感じた…………。
都市の音もここには届かないから…………、