彼女に捧げる新世界
「お前の決断は都市の運命を大きく変えるよ…………」
これまで通りか、
一新させるか…………。
それをよく考えて願うといい。
ニルは全てを語らずともエルファリアが理解出来ると思い、語らない。
「…………わかっています、」
私の存在が都市にとって大きなものだったということ、
機械化に頼った人々の堕落、
けれど、
私はもっと大切なことを気づいた。
「私は、彼が………好きです。もう迷わない、私が受け入れられなかったとしても。
叶うなら人として生きていきたい」
魔王を見つめるのは少し怖い、
それでもしっかりと見た。
中途半端な気持ちだなんて思われるたくない、
だから目を逸らせない。
陶器のような肌や宝石みたいな瞳、
見ていると自分がわからなくなってくる。
魔性の存在………。
何か悪い事をしてしまった時のような緊張感に集中力が欠けそうになる………。
けれど耐えて、じっと見つめ続けた。