彼女に捧げる新世界



涙がでるほど心が震えた、
彼の姿をこの目で再び見られるなんて思わなかったから。


画像なんかじゃない、映像でもない、



本物の姿。



こんなに驚いた顔、

取り乱すなんてないと思ってたのに…………。




涙が流れ落ちたとき、カイトは彼女の手を壊れものを扱うように慎重な仕草で触れた。




「…………なんで……?」

生き返った?


言いたい事が顔に出てる、


「奇跡かな……?」


違うけれど、そんなもの。

言いたい事がたくさんあるけれど………、全部あとでいい。


今はただ、気持ちを伝えたい。



泣いても笑っても一生、だから………私は言うの。



「ずっと好き、今も前も………私を側にいさせて?

どんなカイトも私は見ていたい………」






綺麗な青い瞳が映す私は、昔の私じゃない。



どんな結果でもいい、

私の人生は動き出してしまったから。



運命が本当にあるのなら、お願い…………。




少しだけ力を貸して下さい。






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