彼女に捧げる新世界



雷鳴が響いた外に出るなど危険だ。



リアの問いにも答えずに彼はただ外に向かう………。

ほの暗い道の先にはエレベーターがあり、その光がやけに煌々として見えた。

彼はそれに乗り、パネルを操作する。



まさかの無視だろうか………?



見つめたその表情はどこか緊張したもので、それ以上聞けない。



仕方なく浮遊感に任せたまま上に進んだ。







体はまだ少しの違和感を残すが、しっかり機能しているようだった。














地上と繋がる階層に到着したのはほんの数秒後で、カイトはリアを背に庇いながら周囲を睨む。



まるで演習時のときのような真剣な顔と、どこから出したのかもわからない銃を構えた。




「パネルの影にいろ、お前を見られるのはまずい、」

ここに入れる人間は限られている………、


「うん……」


返事を聞いた彼が音を立てずに歩き出した。





< 147 / 205 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop