彼女に捧げる新世界
雷鳴が響いた外に出るなど危険だ。
リアの問いにも答えずに彼はただ外に向かう………。
ほの暗い道の先にはエレベーターがあり、その光がやけに煌々として見えた。
彼はそれに乗り、パネルを操作する。
まさかの無視だろうか………?
見つめたその表情はどこか緊張したもので、それ以上聞けない。
仕方なく浮遊感に任せたまま上に進んだ。
体はまだ少しの違和感を残すが、しっかり機能しているようだった。
地上と繋がる階層に到着したのはほんの数秒後で、カイトはリアを背に庇いながら周囲を睨む。
まるで演習時のときのような真剣な顔と、どこから出したのかもわからない銃を構えた。
「パネルの影にいろ、お前を見られるのはまずい、」
ここに入れる人間は限られている………、
「うん……」
返事を聞いた彼が音を立てずに歩き出した。