彼女に捧げる新世界
カイト=ジェス=オルワンドは空港にいた。
それでも報道機関はしつこく追い回してくる。
残った仕事は全て片付けたし、辞任して後任も置いてきただろ!
いい加減にしてくれ。
涼しい顔で内心は暴言だらけだ。
私服に着替えてサングラスをかけてやっと撒いたが、荷物が増えた。
首相という地位が遊んで暮らせるくらい稼げるとは思わなかったが、
こんなことになるならもっと貯めても良かっただろう………。
言葉には困らないが、外国で暮らすのは金もかかる。
自分も彼女も浪費家ではないからそれなりに生活は出来るとは思うが…………。
電工掲示板には時間と行先がズラリと映され、そこから自分の便を探してから少し腰を落ち着けようと思った。
行き交う人々を見つめて…………彼女を想う。
今頃、少しは慣れていたらいい。
一人で暮らそうと思ってた家が……………二人になるから。