彼女に捧げる新世界
一人より二人のほうがずっと幸せ、本当にそう。
長かったね。
メールが届いたとき、私は思わず嬉しくなったの。
彼らしくて短い文章だったけど、学生の頃より少しだけ長かった。
“10時の便に乗る、
なるべく急ぐ”
“ゆっくり過ごそう”
キュンとする言葉だ。
今の気持ちをなんて表現したらいいんだろう?
本当ならいますぐ誰かに言いたい。
ねぇ、…………ミラ、聞いてよ。
そしてありがとうっていいたい。
もう一度会いたい、彼らに…………。
キラキラ光る海を見ながらリアは、祈るように手を組み瞳を閉じた。