彼女に捧げる新世界
「おはよ、寒くない?」
「大丈夫、ニルがあったかいから…………。
なんか……呼ばれた気がして目が覚めたの」
気のせいだったかもしれないけど…………。
ニルは変わらず優しく撫でながら、少しだけ表情を変えた。
「…………呼ばれた?
なかなか律儀だね彼ら」
???
誰とも言っていないが、ニルはどこか遠くを見ながら呟く。
「知ってる人?」
そう問うと、
「最近面倒をかけた人」
冷たい答えが返ってきた。
最近……………。
パッと頭に過ったのはあの二人。
今はどうしてるだろう?
あの夜から何もわからない。
急に気になり出して見上げると、ニルの眉が片方だけ上がった。
「彼らはどうしてるの?
会いたいよ……」
「…………そこそこうまくいってると思うけど。
行くの?」
そこへ??