彼女に捧げる新世界
まだ手早くは出来ない料理でもカイトは文句一つなく平らげた。
余程おなかが空いていたのか………、面倒で口を開かなかったのかはわからない。
食事は普通だった。
サラダに卵焼き、炒めたベーコン、パン………。
彼の習慣は知らないけれど普通のはず…………、
普通だよね?
誰かに聞きたいけれど、生憎と室内は二人きりだ。
無言で食器を片付けられ、じゃぶじゃぶと洗い出す姿を見たリアは不安でいっぱいだった。
何か言おうか、と悩んでいた時チャイムが響く。
朝っぱらから?
誰だろう………?
二人の頭の中ではそれぞれ疑問が浮かび、顔を見合せる。