彼女に捧げる新世界
短いスカートは歩く度にひらひらと舞い、白い足を主張させる。
本当なら美しいドレスを着せたいが、ここでは注目を集めてしまうため、控えめなワンピース。
ミラは何を着ても似合うとニルは思うが、これは少し幼く見えると思った。
昔の彼女を見ているような気がして少し複雑にもなる…………。
あの頃に今のような顔をさせてあげたかった。
美しいものを見てはしゃぎ、感動し、いろんなものを見られたらどんなに良かっただろうか?
過ぎ去った過去は戻せないとわかっていても、せめて普通に成長出来たら良かった。
「ミラ、」
「なに?」
「………もうすぐだよ、ここが最後だ」
角を曲がって見えた建物が目的地。
ミラは嬉しそうに笑った、
「行こうニル、
再会と………さよならをしに」
門を抜けて、扉の前に立てば彼が呼び鈴を押した。