彼女に捧げる新世界
「もっと早く会えたら良かったのに、
もう会えないかもって諦めてた!」
嬉しそうな彼女にミラも笑う、
「ありがとう、急がなかったのは二人の時間が欲しかったからなの。
あなたたちにも必要だと思ったわ」
「そ、そんな………」
熱烈な時間を過ごしていたとは知らず、自分たちがなんだか切ない。
「わたし、呼ばれた気がしてここにきたの。
リアはわたしを呼んだ?」
「!!?」
ハッとした。
ミラがあまりにも人に見えないことと、見透かすような瞳に。
玄関にいた彼女と今の彼女は違う存在に見える、
「呼んだ、と言っても心の中でだよ!?
また会いたいて思って……」
「ニル、聞こえたのはやっぱり本当だったみたいよ。
嬉しい……」
ミラは子供のようにニルに寄ってニコニコとしている。
彼は彼で彼女を優しい手つきで撫でていた。
こっちはこっちで熱烈なのは相変わらずらしい………。
見ている二人のほうが恥ずかしい気分だ。