彼女に捧げる新世界
「ミラ?」
ニルの声でハッとする。
彼を見れば、スィっと視線を外に向けた。
意味はもちろんわかる。
もう終わりなのだと、
穏やかな時間が心地よくて忘れそうだった。
帰る場所があることを、
「…………リア、カイト」
二人が自分を見た。
唇がうまく動かない………。
たったいくつかの言葉が浮かんでは消えてを繰り返し、言わなければと思うほどに胸が痛くなる。
せっかく知り合えた人達と離れ、別れる。
寂しさ、悲しみが渦巻いた。
いつまでもいることは出来ない、ここは自分たちのいるべき世界ではないから。
「わたしたち………帰るね。
出会えて、よかった」
もう二度と会えないと思う……、