彼女に捧げる新世界
「魔王様、」
「いいよ、皆……出ておいで」
ニルの声と同時に周囲に光の粒子が舞い上がる。
まったく見えなかった眷族たちが一斉に姿を表したのだ。
「我らが道を作ります」
驚くミラをニルの手が優しく撫でる、
「大丈夫」
旅は終わった。
悲しむことも泣くこともない、
一言の中にはたくさんの想いが詰まり、溢れかけた涙を一旦止める。
「うん…………」
キラキラ光る眷族たち、
綺麗で優しいもの。
せめて笑顔で別れよう………、言葉では尽くせない気持ちを込めて。
光輝く道は魔力で足場が出来ている、
ニルとミラは手を繋ぎゆっくりと進んだ。
極彩色で、天国のような………、
ありがとう、みんな。
そして、
あなたに会えて本当に幸せだよ。
ニル…………。