彼女に捧げる新世界
君と帰る場所
目を閉じて、………ちゃんと感じるでしょう?
風の吹く音、
緑の香り、
水の潤い………。
世界中を巡る風がたくさんのものを運んでくれる。
色とりどりの景色がわたしたちを迎えてくれるの、
ただいま………、わたしの世界。
花々が咲き誇る場所、わたしたちは手を繋ぎ立っていた。
遠くにある湖に浮かぶ城が初めて見たときと同じ姿で佇む。
なんて綺麗な景色か、言葉にできない。
様々な感情が嵐のように荒れて、涙が溢れた。
帰ってくることがこんなにも嬉しく、安心するなんて知らなかった。
どんなに長い時が経っても帰郷は懐かしいのだ。
狭かったものが広がったからこそ余計にそう感じる。
柔らかな花びらが頬を撫でた…………。