彼女に捧げる新世界
いっぱい泣いて、少し落ち着きを取り戻してきたころミラはそっとニルから離れた。
「ありがとうニル。
探してくれたんでしょ………?」
高原は風が強い。
彼女の髪が靡いていく。
「いいよ、たいしたことじゃない」
「わたし頑張る、ちゃんと勉強して一生懸命に生きるわ。
ニルと一緒にいたいから」
振り返った彼女は幼さを感じさせない女性の顔だった。
光を宿した金緑の瞳は神々しいほどに美しく、言葉が出なかった。
嬉しいのにそれを全身で表現することがわからない。
ニルはぎこちなくだが笑った。
「………ミラの為に俺の全てを捧げる。
両親の前で誓う」
この身が朽ちても永遠に愛すると…………。