彼女に捧げる新世界
イシュは鼻をスッキリさせた後、ポツポツと語りだした。
「…………もしも我々と離ればなれになってしまった時、姫様お一人では身を守れない。
そんなことを起こさないに限るが………姫様に護身術をお教えしなくてはならない!
私が女性でも出来るそれを世界中で学んで来ると言って旅立ちました………」
「スー………」
そんな事を考えてくれてたなんて………。
奇抜なことをしでかすがちょっと嬉しい。
「留守は微力ながら私が守っておりました」
「…………ホント微力だね」
ニルッ!!
せっかく泣き止んでくれたのにまたウルウルするイシュを宥めながらミラは少し怒っていた。
「気にしちゃだめイシュ、イシュは精一杯やってくれてたじゃない」
「奥方様ぁ」
「強くなったよねミラって」