彼女に捧げる新世界
イシュがなにか思い出したように突然飛び出して行っていまうと、途端に静かになった部屋。
見渡す限り変わった様子のない室内と雰囲気は懐かしく感じた。
初めは緊張してびくびくしたときもある、でもいつからか楽しい時間もすごしていたし、皆でいられたのは嬉しいことで、暖かいと思う。
今度はイシュやニルやスー、みんなでたくさん話したいな・・・・・・・。
ふふっと笑うミラはニルが急に立ち上がったことに気がつかなかった。
「不法侵入って言葉しらないのか?」
「愚問だね」
ニルは冷えきった顔でミラの背後を見つめる。
振り返る間もなく肩に白いものが埋まった。
「?」
「久しぶり?お嬢さん」
ひどく長閑な声で忘れてた人物を思い出した。