彼女に捧げる新世界



「シム、そんな言い方はよくないわ」


あまりの嫌みっぽさにミラは少しだけ嫌な気分になる。

カイトがどういう人か今はわからないが、言い方ってものもあるだろう。


ミラが見つめるとシムは少しシュンと肩を落とした。


「俺がどう思われてもいい。革新の為に手を汚したのは事実だからな……、

歩みを止めるわけにはいかない」



「カイトは革命家なの?」

「違うが、遠い存在ではないな………」




じゃあ何だというのだろう………?


首を傾げると、綺麗な青の瞳がミラを見つめた。



「俺は元々軍属で、現代を変えるために政治を利用し、現在はこの国のトップ………首相だ。


お前の世界観で言うなら王とでも言えば分かりやすいか?」



王………?


王様には見えないくらい軽装だし、側近もいないが………?



「えらい人?」



そう言うと、彼はクッと笑い声を上げた。




「まぁ………そうだな。

人を動かす権力は貰っていることだし」


「じゃあ、どうして魔王を求めるの?

あなた、困ってるようには見えないわ」




< 22 / 205 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop