彼女に捧げる新世界
「それは……………」
「膨大な電気エネルギーを発電するのは環境維持が難しく、
都市を機能させる機械、エルファリアはその中でも膨大な力を持っています。
ここまで繁栄してしまったなら、求めるのは半永久的な力の集合体……」
電気、発電、半永久的な力………。
都市の機械エルファリアはそれほどこの都市に重要なものなのか?
根幹に存在するそれはミラにはうまく理解できない。
「都市のエルファリアが魔王を欲しがっているの……?」
魔王は永久などではないのに……?
シムはミラが言いたい事を理解してか頷く、
「姫君、人間は我々よりも無知で愚かです。
魔王の存在定義を誤って認識しているのです。
その機械も魔王を真には理解していないでしょう」
「愚かとは言わないよ、わたしも無知だから………。
でもカイト、魔王は人の手に負える存在ではないわ。
あの人たちは確かに力を持っているけど、安全とは限らないもの」