彼女に捧げる新世界
「わからない。
わたしが独りぼっちだったのは、魔女と言われたからよ」
小さな頃から薄暗い部屋に閉じ込められていた。
その前はあまり覚えていないが、老夫婦と一緒にいた気がする………。
親族かはわからない。
「迫害に?
魔女狩りはこの世界にも過去にあったが………」
だとしたら生きているのはおかしい。
そう呼ばれた者はほとんどが殺されたはずだ……。
「きっと魔女の意味合いが違うのね。
わたしがいたところでは恐れられていたの、殺したら呪われるっと思われていた」
「呪術………?
信じ難い。
何を基準に魔女と呼ばれた?」
「わたしは………」
ミラが眉を寄せて黙ると、続きを待つようにカイトが足を組み替えて、少し前に出た。
隣のシムを見ると、キュッと手を握られる。
少し悩んだが、意を決して口を動かした。
「わたしは、魔王の印を持っているの。
幼い頃に彼と会って、その時は彼が魔王だなんてわからなかった。
それで、寂しくないようにっておまじないをかけてもらった………。
それが印としてあるのを村人に見られて、魔女って呼ばれた」